社内や複数社での会議をより効率的かつ効果的にする5つのポイント
日々の会議、非効率だと感じたことありませんか?会議の種類や目的によっても違うかもしれませんが、複数人が参加する会議やプロジェクト/チーム会議では特に、非効率さや無駄を感じることもあるかもしれません。
高校や大学はもちろん、社会に出ても意外と教わる機会が少ない「会議のやり方」について、生産性を高めたり、限られた会議時間を効率的に使うために重要なポイントをいくつか解説します。
ちなみに会議にも種類があり、大きく分けるとオペレーショナルな会議とクリエイティブな会議があります。クリエイティブな会議はざっくばらんにいろいろなアイデアを出しあう創造的なものです。今回は前者の合意形成をしたり何かを決めたりといった目的で開かれるオペレーショナルな会議、よくある一般的な会議と言えるかもしれませんが、そのような会議を前提としたものになります。
その会議はそもそも必要なのかを考える
何かしらのフィードバックをもらうためであったり、各部門からのアップデートの共有のみの会議であれば、テキストベースの非同期コミュニケーションで済む場合もあります。
例えば情報を共有した上でフィードバックを求める会議を開こうと思った場合でも、事前に情報をメールやチャットでメンバーに送り、それぞれフィードバックを数日後までに返してもらった上で、全員同様のコメントやフィードバックであれば、あえて会議を開かなくてもいいかもしれません。
逆に非常に込み入った内容で、背景や関連情報など含めてしっかりと細かなニュアンスを説明する必要がある場合などは会議は効果的です。その他、ブレインストーミングやワークショップスタイルの作業が含まれる場合にも当然ながら会議は有効です。
例え会議が日常的に、そして当たり前に行われていたとしても、常識やこれまでのやり方に囚われず、一度その会議の必要性を自問するということは大切です。
必要なメンバーだけを召集する
意外と認識されていないことかもしれませんが、会議は企業にとって非常にコストがかかるものです。以前の記事で会議のコスト試算についても触れましたが、例え1時間の会議であっても、4人参加する会議であれば4時間分のコスト(時間換算)が発生します。
一人ひとりの有限な時間を使うということを念頭に、一般的には必要最低限のメンバーにとどめることが大切になります。
ただし、召集されなかったメンバーに不満が発生したり、彼らの意見が汲み取られないというようなことがないよう配慮することも必要です。事前に会議があることを共有した上で個々の意見のヒアリングを行ったり、会議終了後には議事録で内容を共有したり。また、複数のチームや部署にまたがる会議の場合は、各チームや部署から一人を代表として召集することで、そのほかのメンバーも代弁される形をとることができます。
そして忘れてはいけないのが、会議を召集した時点から会議はスタートしているということです。この時点からいかに会議の生産性を高めるか、効率化するかという問いもスタートします。
例えば情報共有のプレゼンテーションを行った後に各参加者から意見を集め、最終的に合意形成を行う目的の会議であった場合、30分のプレゼンを行った後すぐに各参加者から意見を集めた方がクオリティーの高い意見が集まるのか、事前にプレゼン資料を共有し、ある程度各自が意見を持って会議に参加する方がいいのか、など、会議の主催者(ホスト)は会議までの時間も含めてより良い生産性の高いと考えられる方法を模索しましょう。
アジェンダの作成と事前準備
何においても事前の準備というのは大切です。
社内会議をはじめ基本的に会議ではまず第一に、何かを決定するための会議なのか、あるいは各メンバーから各方面のインプットを求める会議なのか、合意形成を含めたディスカッションなのか、その会議の目的を明確にしましょう。
アジェンダにはそのような会議の大きな目的に加え、参加者の情報、話し合う予定のトピック(議題)、そして必要であれば各トピックの担当者を明記することが一般的です。また、1時間以上の会議の場合はざっくりとした時間配分も含めておいた方が会議をスムーズに進行できるはずです。
アジェンダは原則として会議までに各参加者に共有しましょう。一般的には24時間前までの共有が理想と言われていますが、各参加者が準備を行う必要がある場合などはそれも考慮して、十分余裕を持ってアジェンダを共有することが会議の進行や生産性に良い影響を与えます。
事前準備としてはこのほか、議論するトピックによってはあらかじめ特定のメンバーから前もって意見を聞いておいた方が会議の構成や遂行をうまくできることもあります。英語では check-in や drop-by などと言われたりしますが、このような事前の確認やヒアリングも場合によっては効果的です。
また、事前にアンケートや質問をしておいた方が良い場合もあります。会議の場でいきなり質問をしても、データを持ち合わせていなかったり、とっさに考えをまとめることが難しい時もあるはずです。何か相手からアイデアや意見、アドバイスが欲しい時は事前に質問を投げておく方が、限られた時間を有効な議論の場にできるかもしれません。もちろん、会議の場で新たに出てきた疑問は質問は事前に予定されていないものなのでこの限りではありません。
この質問に関しても、要は各々のミーティングへの準備です。相手に何を聞きたいのか、それは事前に相手に投げておいた方がいいものか。もし会議で質問する場合は、長々とまわりくどい質問にならないよう、端的に要点を抑えた質問にできるかということも事前準備で改善できる点のひとつです。
そしてこのほかには、当日の役割分担も事前に決めておき、必要であれば担当者に個別に連絡をしておきましょう。ファシリテーター(進行役)、時間配分係、議事録担当などが一般的な役割になります。
会議中にファシリテートを行う
会議の進行役はファシリテーターと呼ばれ、会議の成功の鍵を握る重要な役です。そして日本では特にかもしれませんが、ファシリテートがしっかりと行われている会議は意外にも少ない印象です。
まずファシリテーターは参加者が平等に、自由に発言できるようその場の雰囲気をコントロールする役割を担います。一般的に会議では発言が多かったひとの方が満足度が高いというデータもあり、そういった意味でも発言の少ないメンバーがいれば、積極的にファシリテーターが間に入ってそういったメンバーからの発言を引き出しましょう。
そして時間配分のコントロールも大切です。もちろん会議では議論が活発になっていろいろ良いアイデアが出てくることもあるので、それらを途中で強制終了させるようなことは避けたいですが、定期的に時計をチェックし、アジェンダに沿った時間配分を心がけましょう。
もしトピックからやや逸れた話に進んでしまった場合は、例えばホワイトボードの端っこにその意見やアイデアを書き留めておき、話し合いを元のレールに戻す、とったような手法が取られることがあります。これは parking lot と言われるテクニックですが、このように会議が常に議題に沿っているか確認することもファシリテーターの大切な役目です。
会議後のタスク管理や責任者を明確化する
会議でやるべきことやタスクが決定した場合には、必ずそれを議事録などのドキュメントとして記録しておき、責任者(担当者)も併記しましょう。そしてできれば期日などの情報もあればベターです。
Apple社ではこの責任者は Directly Responsible Individual(通称 DRI)と呼ばれ、設定が徹底されているそうです。
会議の種類にもいろいろありますが、会議自体が目的であることは稀で、あくまでその後のアクションプランに落とし込むプロセスの一貫であることが多いように思います。そのため、しっかりとその後のタスク管理やアクションにつなげるということが重要になります。ここがなあなあになると、有意義な会議をした気になっただけで、実際の業務につながっていなかったり、担当者が曖昧なまま宙づりになったりしてしまいがちです。